現在谷中における野性哺乳動物といえば、鼠の仲間とアブラコウモリだけである。最近はめっきり減ってしまったが、それでも夕暮れ時になると墓地やその周辺で時々見ることが出来る。知らないでいるとクロアゲハかと思ってしまうが、よく見れば飛び方が違っているので見分けることが出来る。日中は木造家屋のうろなどに休息しているようだが、洞窟でも無い限りなかなか休息したているコウモリに出会うことは出来ない。虫が飛びかうようなちょっとした空間と安全な住み家さえあれば、コウモリは生息していけるのだろうが、それには餌となる昆虫が豊富でなければならないのである。1987.8.17