ツルドクダミ

タデ科

多年草であるこの植物は毎年同じ場所に現れてくれる。茎はつる性で左巻、右巻があって時には3メートルにもなるので害草になってしまうこともある。真夏になると白い花が群がって咲く。そして葉の形がドクダミの葉に似ているのでツルドクダミという名がついている。谷中墓地内では一箇所にしか存在していない貴重な植物となっている。中国原産で漢名を何首烏(かしう)と呼び、不老長寿伝説にもとずいて丸い根茎が利用されてきた。享保5年の1720年長崎に渡来したツルドクダミは、徳川吉宗が創設した駒場薬園に植えられ、江戸期は強壮薬として将軍、大名にひそかに愛用されたそうである。そのためにツルドクダミが東京近辺に多いということである。徳川吉宗の眠る寛永寺に隣接した谷中墓地に辛うじてツルドクダミがあるということは、そうした当時のなごりがあるのかも知れない。1987.9.2


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