Physarum viride Pars.
朽ち果てていく大木に移動して来たアオモジホコリの変形体。野外でもなかなか変形体に出会うことは少なく、ほとんどが手のひらサイズなのだが、この谷中霊園に現れた変形体は直径50センチもあり、貴重なの変形体に出会えたのだった。1989.10.11
変形体を見つけてから24時間後に再び同じ場所で撮影したもの。子実体を形成する条件というものは分かっていない。変形体が移動を止めて静止すると先端の扇状が崩れて網目状となり、原形質の小塊となっていく。
小塊はやがて子実体を作りはじめるのである。1989.10.12
アオモジホコリ
子実体に柄があり、高さ約1.5ミリ。子のうは亜球形でやや下を向く。子のう壁が裂開して花弁状となる。この種は谷中霊園でも一度しか出会っていないのに、変形体から出会えたのは嬉しい限りであった。その後の谷中霊園は朽ち木も少なくなり、森も乾燥してきているので、こうした菌類に出会えるチャンスはもう無いかも知れない。